美しさの作り方Vol.9 中島繭×Refletall スペシャルインタビュー
第9回インタビューゲスト 中島繭さん
プロフィール
- 名前
- 中島繭
- 生年月日
- 1980年10月24日生まれ(35歳)
- 職業
- クリエイティブダイレクター/スタイリスト
- 所属
- 株式会社東京SASSY
- 趣味
- スポーツ、ミュージカル、舞台、歌舞伎鑑賞
- 好きなもの
- 匠の世界、美しいもの・事、義理人情
- 嫌いなもの
- ネガティブ思想
活動案内
経歴
- 2007年
- ラグジュアリーブランドにて販売員を務める
- 2009年
- 渡英し、Blake College(英国ロンドン)写真学科入学
ヘッドドレスクリエイターのフィッシュ・ヘッズ・ハッツと出会う - 2010年
- Blake Collage卒業
- 2012年
- 日本へ帰国
- 2013年
- 株式会社東京SASSY設立
- 2014年
- KENZO創立者高田賢三氏発足の『震災復興プロジェクト・起き上がり小法師』イギリス支部より依頼を受け、作品を寄付
英国国会議事堂での披露パーティーにも参加 - 2016年
- 東急プラザ銀座 東京SASSY JAPANとしてPOP-UP STORを出店
ウェディング会社との提携により、ベトナムへ進出
洋装の正装として必要不可欠なアイテム「ヘッドドレス」の普及に力を入れる、クリエイティブダイレクター兼スタイリスト。
イギリスでの衝撃的な出会いから精力的に活動し、日本での企業設立から3年で急速な成長を見せる。
いつもポジティブで自分らしさを大切に貫く姿勢と、パワー溢れる人柄で、国際社会で活躍する女性の中でも日本とイギリスの懸け橋になる存在として、国内外から注目を得ている。
イギリスで出会い衝撃を受けたヘッドドレス
私は東京SASSYにて、ヘッドドレスのスタイリスト兼クリエイティブダイレクターとして仕事をしています。
ヘッドドレスは、日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、私は2009年に渡英した時、有名なミユージカルのパーティーがあり、キャストである友人に呼んでもらい参加した際に出会いました。
その時のデザイナーの格好と帽子がすごく印象的だったのですが、その人が今一緒に仕事をしている「フィッシュ・ヘッズ・ハッツ」といい、ドレッサーでありヘッドドレスを作っているクリエーターです。
彼自身でリメイクしているスーツに、トップハット(日本ではシルクハット)と呼ばれるものを身に着けていてきちんとコーディネートされていて、日本では見ないセンスに、直感でビビッときて「すごい人がいる、ぜひ話がしたい」と思い、すぐに声をかけました。
この仕事を日本に持っていきたいと交渉したところ、彼も快諾してくれたので、日本でヘッドドレスを広める準備をし、2013年に東京SASSYを会社化して今に至ります。
日本でヘッドドレスを広めたい理由とは
私がこのヘッドドレスを日本でと思った理由は、主に2つあります。
1つは、日本へ西洋文化をきちんと届けたいという思いです。
正装を思い浮かべて頂ければわかると思いますが、ヨーロッパではこういったヘッドドレスを着用するのが当たり前なんです。
日本でも、美智子様も正式の場に出る時には必ずお洋服についています。
正式な格好というのは、そういうものなんですよ。
日本ってアメリカの文化がすごく強いのですが、私はなんだか中途半端な西洋文化だな、とすごく思っていて、やるなら最後までちゃんとやりたいし、その1つとしてヘッドドレスが提供できるなと考えました。
そしてもう1つは、日本の人たちがヘッドドレスを着用することで、ハッピーな気持ちになれるのではないかと思ったからです。
3.11の震災があったとき、私はイギリスに居たのですが、その震災で自分が日本人であるという想いをすごく強く感じました。
その時に、距離が離れている罪悪感や、何もできない不甲斐なさを実感することがありました。
そんな中「みんながハッピーでいられること」が生きていく意味としてとても大切なんじゃないかと思いました。
私は、フィッシュ・ヘッズ・ハッツを見た時にとてもハッピーな気持ちになっていて、日本人だって着飾ってハッピーな気持ちになってもいいんじゃないかと考え、日本の人たちにハッピーになってほしいっという気持ちがあって、このヘッドドレスを日本に持ち帰ることにしたんです。
まだまだお客様の層は薄いですが、幅広い年齢層のお客様に愛用していただいていまして、小さなお子からお年寄りまで多くの方に支えられています。
普通のアパレル店ではあまり見られない、お客様がヘッドドレスを付けられている姿や、こんな風に過ごせましたというお写真とか手紙を送って下さるので、とても有難いなと思います。
少しずつみんながハッピーでいてくれているんだなということを実感できるので、私自身もとても嬉しいですね。
美しさとは、その人のストーリーを知りたいと思わせること
私にとって外見の美しさというのは、中身があってこそのものです。
その裏にあるものや、ストーリーをもっと知りたいと思わせるものが美しいと思っています。
元々、ガウディやダリといった、奇人っぽい感じの人が好きなんです。私にとって、彼らの作品ってすごく美しいし、こういうものを作るこの人ってどういう風になっているんだろうと興味を惹かれるんです。
これはアーティストだからということだけでなくて、仕事でお会いした方でも、「この人すごいな」と思う方は、どういう風になってここに行き着いているんだろう、ってすごく思いますし、その方のストーリーを知りたくなるんですよ。
これは顔にも出ると思うんですが、外見はとても綺麗にしていて、月に何回もエステに行かれるような方であっても、その人の魅力が出ているかどうかは別だと思います。
ほとんどの場合、その人のことをもっと知りたいと思って知った時、魅力に納得したり、確信になるのでより好きになりますよね。
内側が整った美しい人というのは、精神的な面でのエネルギーを人に与えることができると思います。
心に正直に生きることで内面を磨く
外見だけの美しさは、私にとっては虚偽以外の何者でもありません。
内面が美しくあるためには、心で動くことが大切だと思います。
人は心で思い、頭で考え、体で行動しますが、心で思ったことをないがしろにしてしまうと、頭で考えることばかりが先行してしまい、それがストレスになり、疲れてしまいます。
例えば、どこか行きたい場所があったとします。だけど、仕事が休めないから仕方がなく諦めるといった具合に頭で行動してしまうと、ストレスが溜まっていくと思うんです。
そうではなくで、行くためにどうするかを考えたり、行くための行動をするといった風に、心で思ったことを大切にして、心で思ったことが行動にとれるような動きをすることが大事だと思います。
心で動き正直に生きるということが、内面的に美しくあることとして必要だと思うのです。
それによってストレスが軽減され、余裕のある生活ができるようになって、内からくる美しさに繋がると思います。
もちろん人間ですから、頭で考えて行き詰ることもあります。
そういう時こそ、目を閉じ、呼吸を整え、胸に手を当てて、心はどうしたいと言っているのか自分と向き合って聞いてみるんです。
すると落ち着くことができ、心に余裕ができて「生き生き=美しさ」に繋がると思います。
人・物・自分への「感謝」
女性は、いくつであろうと美しくあるべきです。
それは、今までの自分が何をしてきたかに掛かっていると思います。
このインタビューをお読みになっている方がおいくつであろうと、それは関係のないことで、夢を持ち、望み、掴むことで自信を充実させる人生が素晴らしい物だと思います。
また、私自身も常に思いながら過ごしていますが、人、物事、そして自分自身への感謝を忘れないで過ごしていきたいものです。
特に、自分への感謝はすごく忘れがちになってしまいますが、自分の頑張りを褒めてあげたり、自分自身に感謝の気持ちを持つことで、人として成長すると思います。
人に褒められて、感謝されて、悪い気はしませんよね。
だったら、自分にも「どうせ」「自分なんて」とは思わずに、自分のことも褒めてあげるべきだと思います。
こういった感覚を持って行動していくことは、心の健康にも、また内面の美しさにも関わることですから、ぜひ実践していっていただきたいです。