美しさの作り方Vol.21 吉田智子×Refletall スペシャルインタビュー
第21回インタビューゲスト 吉田智子さん
プロフィール
- 名前
- 吉田智子
- 生年月日
- 1980年10月18日(38歳)
- 取得資格
- ヨーガセラピスト、ヨーガ療法士、バランス活性療法認定資格、骨盤力一級プロ
- 趣味
- 体と心の関係を知ること
- 特技
- 楽しい雰囲気づくり
活動案内
- 所属・運営
- JHILMIL
- アメブロ
- 東京・梅島!産前から始める産後ダイエット
経歴
- 2003年
- 大学卒業後、番組制作会社に勤務。
- 2004年
- 長女を出産で心身の不調を来した事から、ヨガに興味を抱く。
- 2009年
- 長女出産後、様々な流派のヨガ・セラピーを学び、インストラクターとして区学習施設・保健所などで赤ちゃんや後期高齢者用のクラスを開始。また、産前産後女性に対する心身の健康教育の必要性を痛感し、マタニティクラスを開講。
- 2017年
- 助産院での次女出産を経て、産後養生の必要性を感じ、マレー式産後エステを開始。
- 2018年
- 産後の健康と美しさのためのクラス「脱!肉浮き輪ダイエットプログラム」を開始。
自らの出産経験を糧に、産前産後の女性の身体的・精神的疲労をケアするために、ヨガを中心とした養生・ダイエットの指導を実施。
自宅でのセルフケアも重視しており、レッスン当日だけでなくお家でもトレーニングができるよう、幅広く助言と提案をしている。
さらには、日本ではまだ少ない出産直後に受けられる出張型エステも導入し、早期からの心身の回復によって、育児により積極的になれる環境整備をお手伝い。
闊達な人柄とおおらかな優しさで、出産と育児に悩みを抱える母親たちを手厚くサポートし、子育てがより幸せなものになるよう多角的に支援している。
産前から産後までトータルでサポートするケア体制
現在、産後ダイエットアドバイザーをしていますが、私がこの仕事をはじめたきっかけは、2004年に長女を出産した後、心身の不調をきたした事でした。
その時は、ヨガに興味を持っていましたが自宅の周りでヨガのレッスンが受けられず、5年後の長男出産を機にレッスンに通い始めます。
最初は体をたくさん動かすクラスを受けていましたが、首や肩を負傷したことをきっかけに「体の不自由な方でもできるヨガってあるんだろうか」と興味を持ち、様々な流派やセラピーを学び始めたんです。
そんな中、知り合いの助産師さんが区の施設でベビーマッサージのクラスを持つことになり、サポート要員としてお手伝いをしている中で産前産後女性に対する心身の健康教育・指導の必要性を痛感したことで、現在のお仕事の発端となるマタニティクラス開講に至りました。
最初はヨガを中心とした内容を取り入れ、さらに産後ケアまで発展させて不調緩和・改善のトレーニングを実施していたのですが、その中でお母さんたちのボロボロな体は毎日の積み重ねによる負債だという点に気付き、現在のスタイルである「トレーニング+自宅でのセルフケア指導」へと方向性を変えていったんです。
集団のクラスでは、ヨガの要素を取り入れた内容をみなさんにお伝えしていますが、体は一人ひとり違うので、パーソナルクラスではご自身に合ったケアをアドバイスしています。
また、産後クラスに参加される方は、出産から3~6か月ほど経ち体がボロボロになった状態で、出産直後にフォローアップできる場所がないという事に危機感を持ち、2017年からは産後エステ(出張も可能)も開始しました。
このサービスを開始したことで、出産直後からお母さんたちの心身を継続的に守り、より負担を軽減して育児に取り組める環境を作る事ができています。
体と夫婦関係を整える事が、高齢になっても活きてくる
これまでに延べ5,000人以上の産前産後女性に関わってきましたが、その中で私は特に女性の体力低下と、それに伴う健康への影響に危機感を持っています。
私たちの両親世代にあたる現在の60~80代はとても元気な方が多いですが、今の私たちの生活環境は便利で楽になった事で、どんどん体を使わなくなり、同じ年齢になった時には歩けなくなるんじゃないかと感じています。
さらに産前産後の女性の場合、ただでさえ妊娠・出産によって体が変化しやすいのに、さらに昔のように育児に協力してくれる人が少ないために、必要以上に体を酷使しすぎているんです。
子どもを産み育てるのにとても必死で、自分の心身を顧みずに子どもが巣立つまで無理を続けていたら、年齢を重ねるごとにより一層体力が失われてしまったり、病気になってしまう恐れがあると思います。
実際に高齢者の女性に調査を行ってみると、やはり丈夫で元気な人の方が、産後の体のケアをしっかりと行っていた事が分かりました。
これからの人生を楽しみ、また、自分のやりたい事を実現するためには体が資本になります。
出産や子育てだけでなく、全てのライフステージで自分の人生を歩むために、しっかりと体を整えて欲しいですね。
また、お母さんだけでなくパートナーになる男性も含めて、もっと本音で話し合える関係性を作れるよう工夫することが重要だと思っています。
夫が育児に関わるための制度は近年少しずつ整備されはじめていますが、それでも母親主体な育児の状況は大きく変わっていません。
お父さんは仕事で疲れ、お母さんは育児で疲れ、二人がそれぞれに気を遣いながら生活していると思うんです。
だけれども、パートナーと本音で話さなければ、何ができて何が難しいのかをお互いに伝えることはできませんから、必要のない負担を強いる状況になってしまいます。
実際に私も、最初は「ワガママは言えない」「家庭をちゃんと守らないと」と思いながら子どもを育ててきましたが、感じている事や考えている事を素直に伝えた方が、主人も協力的になってくれました。
出産を経験できない男性にしてみれば、「産後は病気じゃないから、これくらいはできるよね」という考えが多少なりともあると思うんです。
もちろん分からない部分はあって当然ですが、夫婦が心を通わせて、必要な気遣いはしつつも我慢や無理をしすぎない関係を作る事が、産前産後の過ごしやすい環境に繋がります。
孤立した子育てをしない、言いたいけれど言えない状況を回避する、周囲をもっと頼ることで周りの人に快くちやほやされ、ママもそれを気持ちよく受け取れてまるでママがお姫様のように扱われる「ママお姫様計画」的なものがあっても良いんじゃないでしょうか。
美しさは健康から!心と体の余裕で産後もキレイに
私は女性の体のケアとしてクラスを持っていますが、実は健康だけでなく美容面にもつながっています。
ある日、5歳と2歳のお子さんを育てている女性がいらして下さったんですが、育児のあまりの大変さにご飯を作る体力もなく、家も片づけられず、さらにイライラしてしまうと言っていました。
だけれども、トレーニングを続けて体を整えていくうちに体力がついて、クラスの後に自分からジムに通ったり、家事の合間に自主的に筋トレができるくらいにまで改善されたんです。
すると、徐々にその方の目が輝いてきて、「髪型を変えてみようかな」「お化粧を工夫してみようかな」と自分の美容面にも目が向くようになっていったんですよね。
体力的・精神的に余裕がないと、どうしても自分の美容は後回しになってしまいますが、健康という土台を作ることでより美しい自分が作れるんだと思います。
私の場合は体を見る仕事をしているので、洋服のシワや着方から「この筋肉が使えていないんだろうな」「きっと股関節が痛いんだろうな」と体のトラブルを見てしまうのですが、綺麗な装いができる方は心も体も健康という事だと思うので、外見的な美しさからも健康は大切にしてほしいです。
また、出産という大きな経験をした女性は、どうしても体が以前のように上手く使えなくなりやすいので、お腹周りに脂肪がつきやすくなりますよね。
私の場合は「肉浮き輪」と呼んでいるんですけれど、根本的な原因である姿勢を整えて本来の筋肉の使い方をしてあげれば、お腹はシュッと整えることができるんです。
産後崩れた体型を効率よく戻せれば、自分に自信を持てるようになりますから、この点も美容に繋がると思います。
女性は一生のうちに3回、体が大きく変革するタイミングがありまして、それが「思春期」「出産」「更年期」です。
このタイミングは、ホメオスタシスという体の恒常性が大きく崩れるので、肩こりや猫背といった今までの悪習を一度壊すことができるビッグチャンスになんです。
半年ほど前から、私も「脱!肉浮き輪ダイエットプログラム」というのを開始して、お母さんたちの健康だけでなく美しさまでサポートできるサービスを整備しました。
産後はどうしてもネガティブな要素を強く感じがちですが、赤ちゃんがくれたラッキーチャンスだとポジティブに捉えて、積極的に体を変える工夫をしてほしいなと思います。
私が行う超簡単な美習慣
習慣として私が行っている美容法の1つに、毎日1回は自分の裸を鏡で確認するというものがあります。
私は産後に自分の体を見て、「お尻の形、こんなだったっけ!?」と愕然とした事から、自分の意識と体の動きの変化に注目するようになりました。
テレビに出ているアイドルが、注目度が高まるにつれて綺麗になっていくように、自分の体も見てあげるだけで意識するようになり、良い方向に変化していくんです。
トレーニングとなれば専門的な知識や方法が必要になりますが、見るだけならだれでもできますし、今日からでも始められるので、入浴前のボディラインチェックを習慣化すると良いと思います。
また、お風呂に関して言うと、入浴剤を使われる方が多いですが、私の場合は湯船にたっぷりお塩を入れて入浴しています。
子どもがいるので入浴剤よりも安全性が高いという点と、風水的な観点から厄払い・厄除けになるという意味があるという事から、お塩入りのお風呂に入る事にしています。
タッパーに入れてお風呂場に置いておけば、掴んでバッと投入するだけですし、子どもなんかは頭に乗せて遊んだりしていますよ。
体をこすればボディスクラブにもなりますし、経済的で、いろんな意味で使いやすいと思います。
私は美容業界に関する知識がある訳ではありませんが、年齢的に肌の老化やシミなど気になる点も出てきたので、アンチエイジングは気になる点です。
ただ、お肌だけに特化するのではなく、全人的なトータルケアができるシステムがあったら嬉しいです。
お肌の変化って皮膚だけの問題ではなく、生活習慣や環境、性格など様々な要因で生じていますよね。
いくら良い化粧品を使っても他の要因が改善されなければ、なかなか良い結果は生み出せないので、多角的なアプローチで包括的にケアできるようになる事が、年齢肌には必要なんだと思います。
自分が確立していて、精神的にもすごく成熟されている人をみると、皆さんお肌が綺麗なんですよね。
そういう方にお話を聞くと、お金に任せてケアをしているという事ではなく、自分の心や、自分が呼び寄せている環境を充実させている事が、美容面にも大きく影響しているように感じます。
ですので、お肌だけでない他の面からもアプローチできる美容・健康の仕組みが必要だと思いますし、自分自身でも肌トラブルだけに着目するのではなく、他の要素も見直すよう心がけたいですね。
女性の美は世界平和!産み育てやすい社会で日本を美人大国へ
外見に発揮される美しさというのは、あなた自身の心の表現です。
つまり、「女性の美しさとは一体どこから出てくるのか」を考えたときに、その方の自尊心や自分を大切にしている心の動きが、美しさとして外側に向かってに滲み出ているのだと考えています。
繋がりやご縁に感謝し、委ね、自分を可愛がることができる女性からは、とても清々しい美しさを感じる事ができるのです。
そんな女性が一人でも多くいれば、より一層周囲に喜びをもたらす事ができるようになりますから、女性の美しさは大きな意味では世界平和に必要不可欠と言えると思います。
私は主に妊娠出産を経験している女性に関わらせて頂いていますが、産み育てることは素晴らしく尊いものであると同時に、どれだけ自分を慈しみ労わり、大切にできるのかも試されています。
しかし残念ながら、現代の出産という機会に巡り合える女性にとって、自分を一番大切にすることはとても難しい課題のようです。
しかし、一見ボロボロに見える産後のお母さんも、その内には美しさが秘められており、光り輝けると感じることがたくさんあります。
すでに美しい方はさらに美しく、これから輝きたい方はご自分の可能性を信じて、小さな事から健康・美容へのステップを重ねていってほしいと思います。
また、私の考える女性の美しさの必要性というのは、出産育児に関わる全ての女性の、産み育てやすい社会の必要性でもあると思っています。
先ほどお伝えした「ママお姫様計画」のように、出産を経験する女性がもっと周囲に頼り、心に余裕を持って生活ができるような仕組みが大切です。
都道府県や市区町村の環境整備を今すぐに求めることは難しいですが、まずは社会の最小単位である家族・家庭から、産み育てやすい環境を作れるよう少しずつ工夫していきましょう。